アバンギャルド茶会 利休百首 【アバ的利休百首 vol.19】茶の湯とはただ湯をわかし茶をたててのむばかりなる事と知るべし

【アバ的利休百首 vol.19】茶の湯とはただ湯をわかし茶をたててのむばかりなる事と知るべし


茶はさびて心はあつくもてなせよ道具はいつも有合にせよ

昨日の一句です。
道具なんて本当に何でもいいんです!ということを昨日なぜか必死で伝えていた気がします。。。笑

でも、本当なんです!

茶の湯とはただ湯をわかし茶をたててのむばかりなる事と知るべし

一般的解釈

お茶は難しいことは何もない。お湯を沸かして、お茶を点てて飲むだけのことです。本当になんでもないことなのです。

でも、この当たり前のことを当たり前にやるということの難しさを知りなさい。

とても有名な逸話ですがある人が利休様に

「お茶を点てるコツはなんですか?」

と聞かれたそうです。そのときにこの句に近いことを言ったそうです。

そうしたら、この方は

「な~んだ。とても簡単なことですね。それなら僕でも出来ますよ!」

と言ったところ、利休様は

「簡単なことですか?それが出来ましたら僕はあなたの弟子になりますよ」

と言われたそうです。それくらい同じ状態であり続けるということは大変なことだと言うことですね。

アバ的解釈

当たり前のことを当たり前にやる。
これを「簡単なこと」と言ってしまうのはとても危険ですよね?

いつもどおり湯を沸かす
いつもどおりお茶を点てる
いつもどおり飲む

いつもどおりということは毎日、毎日同じ事を同じようにやり続けるということですよね?例えば、この「アバ的利休百首」も似たような境地です。

毎朝書く
同じ品質で書く
同じように感じて頂く

無理です。。。毎朝書き続けるだけでも精一杯なのに、同じ品質で同じように楽しんでいただくなんて。。。

夢のまた夢。笑 もっと近い例で行くと、facebook上でやっている『朝の一服』。

写真では伝わらないかもしれませんが、毎朝お茶を点てて茶碗を紹介していますが中に入っている「お茶」は同じお茶を使っているのに毎日違う味がします。。

本当か?って思いましたね!笑
ウソのようですが、お茶には「今の心境」が味になって出てきます。

元気なとき お茶も「元気な味」
疲れているとき お茶も「疲れた味」
迷っているとき お茶も「迷った味」

例えではありますが、つまり

茶の湯とはただ湯をわかし茶をたててのむばかりなる事と知るべし

のように目に見えることをだけではなく、全てをまったく同じ状態で再現し続けるということは半端ない労力を要するのだ!ということを知りなさい。

と、利休様は言っているのでしょうね。

日々の生活も同じですね。
楽しいこともあれば、悲しい、辛いこともある。

でも、感情に左右されず同じ生活をし続ける。。。出家したお坊さんでも至難の業ですよね?少しだけ、そんな気持ちで生活してみたいものです!

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参考文献:利休道歌に学ぶ(裏千家学園公開講座PELシリーズ)

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