アバンギャルド茶会 茶の湯コラム 【茶の湯コラム Vol.5】 海外視点で「日本文化」を捉える ~Kawaiiの次は「Shibui(渋い)」?

【茶の湯コラム Vol.5】 海外視点で「日本文化」を捉える ~Kawaiiの次は「Shibui(渋い)」?

2016.09.26

茶の湯コラム


前回の「「茶道」の読み方は「さどう」?「ちゃどう」?」を読んだ方から、お便りをいただきました。(ダイレクトな反応を頂けるのは、とてもうれしいことです。)

「さどう」を「Sado」と英語にしてみる

「さどう?ちゃどう?」を日本の歴史や言葉の視点だけで語ってきました。海外でも、茶道をされる方が増えてくるとグローバルな視点で捉えることも求められます。「さどう」を英字表記すると「Sado」になり、発音は「サド」。あれ?「サド」?「サディズム(Sadism):相手の体を痛めつけて満足する性的倒錯」という言葉がありますが、「Sado ceremony」と言ったら、危険で怪しいことをしている集団に見えてくるかな?(ネイティブスピーカーの方が、こんな考え方もあるのでは?とのことでした)

「ポカリスウェット」という飲み物がありますが、海外で発売したときに「汗を飲むの?」と不評だったという話しは有名です。「和製英語」は、日本人には違和感のない意味でもネイティブスピーカーにはネガティブに捉えられることも。

中居靖 備前

この説は、後付けですが、こういうこと諸説あるものは「正解」ではなく、「自分の考え」を見つけることが大事です。

海外で茶会をすると「茶道用語(特に茶道具)」の訳し方に頭を悩ませます。無理矢理、訳語を探そうとしましたが、しっくりこないことが多い。最近は「英訳/日本語の発音(Tea Scoop/ちゃしゃく)」となるべく日本語と併用して日本語自体を定着させたいと思っています。日本で生まれた文化ですからね。

日本の「カワイイ」もprettyやcuteで表現できないから「Kawaii」。柳宗悦の著書「柳宗悦茶道論集」でも「渋いはShibui」と表現すべしと書かれています。やはり「Kawaii」の次に来るべきは「Shibui」でしょうね!渋い好きとしては。笑

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