アバンギャルド茶会 アバンギャルドな人 【AVAな人 Vol.7】 陶芸家「金理有」(宇宙十職「海王星」担当) ~この「目力」は半端ない!

【AVAな人 Vol.7】 陶芸家「金理有」(宇宙十職「海王星」担当) ~この「目力」は半端ない!


金理有
陶芸家
金 理有 Kim Riyuu

宇宙十職 「海王星」担当

[ twitter ]

 
1980 日本人の父、韓国人の母のもと大阪府に生まれる
2004 大阪芸術大学 芸術学部工芸学科陶芸コース卒業
2006 大阪芸術大学大学院 芸術制作研究科修士課程修了
     同大学院芸術研究科研究員
2007 同大学院非常勤助手
2010 courtesy of neutron(ギャラリーニュートロン所属)

 
太陽系茶碗を作る「宇宙十職プロジェクト」
宇宙三昧な茶会「宇宙茶会」

ようやくお披露目式の日程(2011年4月2日)だけは決まりましたので
あとは本番に向けて、仕込み、仕込み。その中でも一番大事なのは当日
までに出来る限り、全作家とお会いしておくということ!

お願いしておきながら、顔も知らないでは失礼ですからね!
ということで、お会いしたから順に随時ご紹介をアップしていきますね。

そんな、栄えある?第一号は大阪で作家活動をされている

 金 理有さん

です。事前にプロフィールを拝見していたら、なんと1980年生まれとのこと。
もはや、同世代というよりも同い年みたいなものですね。という勝手な親近感
のもと、お会いしてきました。

金理有

金理有 キューブ

何と言っても特徴的なのはこの『目』。
立体彫刻でぐんぐん力を発揮して、今注目の作家さん。
とある筋の情報から

 「既にコレクターも数多くいて、人気沸騰中ですよ」

とのこと!私と同じ「茶人」の目線で見てみると「へうげもの」というマンガ
が主催している「へうげ十作」の一人にも名を連ねています!こんな作家さんが
宇宙十職に興味を持って頂き、参加してもらえるのはうれしいことですよね。

 「何だか楽しそうだったから、思わず連絡しちゃった」

という、このノリこそが我々世代の特権である、こういってくれる人たちが
集まってくるのが本質的な価値なのでしょうね。

と、ちょっと脱線しましたが「目」に話しを戻しますとやっぱり気になるのは
何で「目」なのか?ということ。開口一番、聞いてしまいました!笑

目は口以上に力があるんですよ

とのこと。『目は口ほどに物を言う』ということわざ以上に金さんにとって
『目』から発するパワー=目力は半端ないってことなのでしょうね!

そんな、『目力』強い作品を作られている金さんですが、本格的に茶陶を
始められたのは「へうげ十作」に声を掛けてもらった2年前からなのだそうです。

金理有 楽焼

でも、この作品を見ていただいても分かるように「目」同様、茶碗にも力を
感じませんか?どのような陶芸家の方が好きなのかなあ?と話を伺っていると

「最近、楽焼が気になります。
以前、楽吉左衛門(当主)のワークショップに参加したときに
直接話をしたときに共感することが多かったんですよね。」

なるほど!楽焼と言えば、千利休(正確には死後弟子たちによって)が愛した
と言われる10人の芸術家?『千家十職』の中で『茶碗』を担当していた由緒
正しき茶碗。茶道の世界でも最も格が高い茶碗に位置づけられています。

たぶん、金さんがここに行き着いたのも何かの運命なのでしょうね!
楽吉左衛門さんは東京藝術大学で「彫刻」を専攻されていたことも金さんが
何か強い共感ポイントだったのでしょう。

さて、そんな金さんの作品ですが直近ですと

2011年2月23日(水)~2月28日(月)
「twelve’s」from 陶 ISM @Azabujūban Gallery

〒106-0045
港区麻布十番 1-7-2 エスポアール麻布102
Open:11:00-19:00 (毎週火曜日休廊)

で開催されるグループ展で見ることができます!
※この展示、「宇宙十職」に参加している
作家さんが3名もいらっしゃいます!

一緒にこの「目力」体験しに行きましょう!

金理有 曜変

そして、これが今回の宇宙十職のベースになるのだとか!?
いや~。今から4月のお披露目式が楽しみでなりませんね!

■ 個展

2004 STINKY FLAVOR (ギャラリー白3 / 大阪)
2005 金理有TOUGEKI展 (カフェ&ギャラリーGARASHA / 京都)
2006 宇宙で迷子。LOST IN THE UNIVERSE. (ギャラリー白3 / 大阪)
2007 韓流に游ぶ 金理有 陶展 (游間納屋 / 兵庫)
2007 CERAMIX&GRAPHIX  (ESPRESSO BAR BANCO / 大阪)
2008 R.I.P (Gallery neutron / 京都)
2009 臨界点(neutron Tokyo / 東京)
2010 八面六臂 (neutron Tokyo / 東京)
2010 ceramics as new exoticism (INAXギャラリー / 東京)
2010 麒麟幽 (Gallery neutron / 京都)
2010 うつわ(芦屋ギャラリーMUKU・兵庫)

■ グループ展

2002 DOWN TOWN (club DOWN / 大阪)
2003 Pulling from the earth (インテックス大阪 / 大阪)
2004 秩序と反秩序 (比良美術館 / 滋賀)
2005 国際陶磁器展美濃’05 (セラミックパークMINO / 岐阜)
2005 CONTACT4 (滋賀県立近代美術館 / 滋賀)
2005 亀岡あかりアートプロジェクト (すみや亀峰菴 / 京都)
2006 第4回66展-近代建築とアート (細野ビルヂング / 大阪)
2006 SPICY LIFE!! (ギャラリー百音 / 大阪)
2007 とよた美術展‘07 (豊田市美術館 / 愛知)
2007 箱展 (ギャラリー北野坂 / 兵庫)
2007 陶のかたち展 (ギャラリー北野坂 / 兵庫)
2007 フタのあるカタチ展 (ギャラリーVOICE / 岐阜)
2007 まいどin なんば (なんばPARKS / 大阪)
2007 アートな贈り物展 (ギャラリー集 / 京都)
2008 なうふ坂アートフェア (ギャラリーなうふ / 岐阜)
2008 第6回66展 (細野ビルヂング / 大阪)
2008 トッテのある形展 (ギャラリーVOICE / 岐阜)
2009 Ceramic Proposition 陶芸の提案 (ギャラリー白 / 大阪)
2009 若武者12人の茶碗 (さかづき美術館 ギャラリー宙 / 岐阜)
2009 第7回66展 (細野ビルヂング / 大阪)
2009 へうげて、暮らすか (HOTEL CLASKA / 東京)
2009 アジア現代陶芸- 新世代の交感 (愛知県陶磁資料館 / 愛知)
2009 ART OSAKA (堂島ホテル・大阪) ※neutronより出展
2009 神戸ビエンナーレ2009 ・現代陶芸展準大賞受賞(神戸メリケンパーク / 兵庫)
2009 ISETOYAN (伊勢丹新宿店 / 東京)
2009 へうげものin Nagoya (松坂屋名古屋本店 / 愛知)
2010 MEGYUWAZO (ルーサイトギャラリー / 東京)
2010 JOMONISM ART 展 (エコファームカフェ632 / 東京)
2010 陶ism (益子陶芸倶楽部 / 栃木)
2010 上田流和風堂特別公開展 (上田流和風堂 / 広島)
2010 Ceramic Proposition / 陶芸の提案 (ギャラリー白 / 大阪)
2010 アートフェア京都 (ホテルモントレ京都 / 京都) ※『へうげもの』より出展
2010 イケヤン☆展 (アートサロン山木 / 大阪)
2010 食卓上の舞 (petit luxe / 東京)
2010 JOMO-T展 (ラフォーレミュージアム原宿 / 東京)
2010 タグボートアワード2010 (ターナーギャラリー・東京)
2010 陶のかたち展 (ギャラリー北野坂・兵庫)
2010 イケヤン☆展 (陶林春窯・岐阜)
2010 試みの茶事/EZO茶会 (ギャラリー門馬/ギャラリー創・北海道)
2010 小さなオブジェ、器展 (INAXガレリアセラミカ・東京)
2010 BASARA (スパイラルホール・東京)
2010 イケヤン☆展 (工房IKUKO・岡山)
2010 アート光州 (金大中コンベンションセンター・韓国)
2010 試みの茶事/北の丸大茶会 (東京近代美術館工芸館・東京)
2010 HAKATTANA (紺屋ギャラリー・九州)
2010 Home,Sweet home (neutron tokyo・東京)
2010  シブヤスタイル (西武渋谷店美術画廊・東京)

■ その他

2004 関西国際空港にて4 ヶ月間作品展示 (関空ラウンジ / 大阪)
2005 関西国際空港にて4 ヶ月間作品展示 (関空ラウンジ / 大阪)
2005 「国際美術アートフェアART GWANGJU」(金大中コンベンションセンター / 韓国)

■ コメント

私にとって焼物とは「自己」という枠組みを超えさせてくれる表現媒体、物理(自然の摂理)の力を用いた神秘的で魔術的な技芸/技術だと感じています。そ れは表層的な土味やヒビ、垂れ、ゆがみなどのみを言っているのではなく、その制作プロセスにおける自己の表現意志だけでは作品が成立しないという様々な制 約を肯定し、そこに意味を見いだす試みとも言えます。焼物において何よりの制約は「焼成」という工程です。この焼成があるために制作者は様々な試行錯誤を 制作工程で強いられますが、また作品に力強さや奥深さを与えてくれるのもこの焼成です。
私は最終的に1200℃を超える温度で作品を焼成しますが、この時 作品は窯の中で非常に高い熱量を与えられて急激に物質の組成を変化させ、1万年以上の時間を経ても変化しない恒久的な物体に生まれ変わります。その物体は 単なる自己表現のものではなく、表現意志と素材と技術の相克/相生の賜物として存在します。
私の作品は器物形に近いものが多いですが、それは壺などの古来 よりある陶器と人間の身体との近似性を感じているからです。焼物は無垢の固まりで焼成出来ないため内側は中空になりますが、皮状の実体(SHELL)とと もに内側の虚ろにhる非在なるもの(GHOST)も重要だと考えています。

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