アバンギャルド茶会 コラム茶の湯コラム 【アバ茶コラム Vol.16】 英語で茶道コラム 『茶道で一番大事なこと』

【アバ茶コラム Vol.16】 英語で茶道コラム 『茶道で一番大事なこと』

2014.06.27

茶の湯コラム


【英語版】RESOBOX「What comes first in Teaism?」

前回は「茶会」とは何かについてお話しをしました。
今回は、私がニューヨークで開催したお茶会を例に出しながら
「茶道で一番大事なこと」について話しをしたいと思います。

日本政府が日本文化を世界に広めるために行っている「クールジャパン」という
プロジェクトをご存知ですか?アバンギャルド茶会もプロジェクトの一員として
参加しており、1年間かけて日本を代表する窯業地で活躍する若手陶芸家と共同で
オリジナルの茶道具を制作してきました。このプロジェクトで完成した茶道具の
お披露目を兼ねて今年2月、マンハッタンにある友人の「憩翠庵(KeiSui-an)
」というお茶室で茶会をしました。

作家も現地入りして、お客様に作品づくりへの想いを語っていただき、お客様には
気に入った茶碗を選んでいただきました。作品を見るだけ、お茶を飲むだけでは
茶道を断片的にしか伝えられない。

だから、見て・触って・体験できるスタイルの茶会にしました。

茶道コラム

参加したお客様はニューヨーク在住の日本人、外国人が総勢100名。
お話しをしてみると日本文化に興味を持っていたものの実際に触れる機会が
なかったのでとても良い経験になった。といううれしい反応をいただきました。

実は、私は幼少期をニューヨークで過ごしていました。
大人になり海外の方と仕事をするようになると、日本人以上に日本のことを知っている
外国人に遭遇するたびに自分は本当に日本のことを何も知らないと痛感しました。

そんな経験から日本のことをもっと知りたくて、幅広いジャンルで日本文化を捉えられる
「茶道」を選びました。ニューヨーク茶会に参加した日本人にも聞いてみると日本を出て、
客観的に日本を見つめなおしてみると日本文化の奥深さを改めて感じたそうです。

だから、私も海外に出て、客観的に日本文化や茶道が外国人にどのように見えるのか
感じることでさらに良さを伝えることができるのではないかと考えています。

不思議なもので多くの日本人は、はじめて茶道に触れるにも関わらず茶碗を
回わすことや何口で飲むという伝統的なルールをなんとなく知っています。
それが逆に「茶道は小難しいもの」という固定概念を植えつけています。

当たり前のことですが外国人はそのようなルールを知らないので気負いすることなく、
楽しそうにお茶を飲まれます。

つまり、茶道で一番大事なことを実践しているのは外国人のほうなのです。
前回、茶道は「総合芸術」というお話しをしました。茶道で一番大事なことはなんでしょう?
貴重な茶道具でしょうか?立派な茶室でしょうか?礼儀正しく正座をすることでしょうか?
それともきちんと着物を着ることでしょうか?

どれも違います。
ただおいしくお茶を飲むことです。茶道の生みの親、茶人千利休は言いました

「茶の湯とはただ湯をわかし茶をたててのむばかりなる事と知るべし」

素敵な言葉だと思いませんか?お茶をルールどおりに飲もうと思ったら、
びっくりするくらいたくさんのプロセスがあります。でも、それ以上に大事なことは
心をこめて点てて頂いた一服のお茶をおいしく飲むことなんです。

ニューヨーク茶会のとき、皆様にこんなお話しをしました。

皆さん、お茶の飲み方をご存知ですか?(みんな首を振って、知らないよ!という素振り)
そうですよね?でも、お茶の飲み方はとっても簡単ですよ!だって、皆さん、口はついてますよね?
そう!口で飲めばいいんですよ!

アメリカンジョークに対抗したジャパニーズジョーク!
皆さん、爆笑してくださいましたので一応通じたようです。
でも、本当にそうなんです。作法にとらわれてばかりいたらお茶を味わう余裕はありません。

我々もはじめてのことや異文化のことに触れるときは緊張もしますし、とまどいもあります。
だからこそ、伝える側がどのように伝えるかで捉われ方も大きく変わってきてしまうものです。
だから、たくさん伝えたい気持ちを抑えて、まずは「お茶はおいしい!」ということを知って
いただけたらうれしいです。

この一歩を踏み出せば、茶道の奥深さを伝えられるのですから!

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