アバンギャルド茶会 利休百首 【アバ的利休百首 Vol.40】 柄杓にて湯をくむ時の習には三つの心得あるものぞかし ~今日は柄杓ハウツー

【アバ的利休百首 Vol.40】 柄杓にて湯をくむ時の習には三つの心得あるものぞかし ~今日は柄杓ハウツー


柄杓の扱い2日目!
昨日は

 湯を汲むは柄杓に心つきの輪のそこねぬやうに覚悟してくむ

ということで「柄杓の構造」と「つなぐ心」についての
一句でしたね!今日は超「実践」編です!

 柄杓にて湯をくむ時の習には三つの心得あるものぞかし

■一般的解釈

釜や水指から湯や水を汲むときの心得3か条。

 1.柄杓で湯、水を汲むときは9分目にする
 2.湯は釜の中ほどより下=釜底 水は水指の中ほどより上=上澄
   をすくうべし
 3.すくった湯を釜、茶碗に注ぐとき、切れが悪いので柄杓を上下に
   動かして湯を切るしぐさをしない!(「油柄杓」というそうです。)

■アバ的解釈

今日は完全にハウツーものです!

2.の

 湯は釜の中ほどより下=釜底

これには大きく分けて2つの効果があります!
釜は下から炭で熱せられていますので、釜の中に上昇気流が起きて
いるので不純物は上のほうを滞留します。それを避けるためと下の
ほうがお湯の温度が高いですね!
 ※昔?、お風呂を温めなおしたときに表面を触ったら温かい!
  と思ったのにいざ「じゃぶ~ん!」って入ったら「冷た!」
  ってなったことありませんか?笑 お湯と水を比べたときに
  お湯のほうが軽いので上に行く性質がありますが、この場合は
  炭に直接近いところ=温度が高いって意味ですね!

 水は水指の中ほどより上=上澄

水はお湯とは逆で不純物は下に沈殿していきます!だから、そっと
上澄みのほうをすくいあげます!そうすれば余計なものが入らず、
キレイな水をすくえます。

スプーンでヨーグルトをすくって、最後のひと匙。スプーンにくっついて
いたら、思わず振って器の中に入れたくなりますよね!でも、お茶を
するときはその仕草を忘れましょう!笑

コツは、根気よく最後の一滴が落ちるまで待つ?だと、いつまでかかるか
わからないので、柄杓に入っているお湯を茶碗の注いだら一気に柄杓を上に
戻して水滴を切りましょう!

お湯、水をすくうにもこれだけ細かいテクニックがあるなんて
すごいですよね!?お茶の世界ってどれだけ奥が深いんだ?

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■ 参考文献

利休道歌に学ぶ (裏千家学園公開講座PELシリーズ)
阿部 宗正
淡交社
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